日本一時帰国中は沢山時間があったので、本三昧の毎日を送っていました。アマゾンのレビューだけが頼みの綱なロンドン生活とは違い、実際に書店で手にとって吟味できるのは 嬉しいことです。1カ月の滞在で、20冊くらいは読んだかな。全然タイムリーな話題ではありませんが、その中の1冊から 西の魔女が死んだ。不登校になった少女が、セラピーのために田舎の祖母の家で過ごし、その祖母の死と向き合う・・というストーリー。おばあさんがイギリス人という設定なので、イギリス駐在中の人はもう読んだという方も多いかもしれません。映画版は観ていないのですが、話題になったのかしら。どなたかご存知だったら教えて下さい。 イギリス繋がりで何気なく手にとって選んだ本だったのですが、読んだ後の感想が、、、なかった・・・(汗)。「ふーん、それで・・」という感じ。↑のショックというのは、本の中身というよりも自分自身についてです。感性のセンサーが鈍くなっているのではないかと、この本を読んでからずっと自問自答しています。少し(かなり?)前の日経新聞のコラムに、安藤 忠雄氏が10代に夏目漱石、正岡子規を読まなかった事を後悔していると書いていたのですが(彼のすごいところは、それを認識して後になってからきちんと読んで消化しているところ)、10代の感性はぴか一。あの頃に受けた衝撃、感動そして痛みというのは、その後の人生観に大きく影響するな、、と30代になって、そして親という立場になって痛いくらいに感じ始めています。 「近所の出版社の屋上から、少年少女文学全集の垂れ幕広告が吊り下がっているのを見た。垂れ幕のすぐ脇に≪早く読まないと大人になっちゃう≫と書かれているのを見て、私は大いに感動した。教育の神髄をついていると思った。」 「祖国とは国語」 藤原正彦 20代は、仕事に、遊びに、勉強に、マラソンに文字通り駆け抜けて、30代の自分へのテーマを暫く模索してきましたが、年齢に応じた芸術・文学への審美眼を養うというのも大きなテーマの一つかな。
by emy_to
| 2010-05-20 07:20
| UK culture
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